Netflixオリジナルドラマ「ブリジャートン家」レビュー
Netflixドラマ「ブリジャートン家」 Bridgerton 詳細
ブリジャートン家 2020年:アメリカ
原作・制作:クリス・ヴァン・デューセン
アッジョア・アンドー、ジュリー・アンドリュース、ロレイン・アシュボーン、ジョナサン・ベイリー、ルビー・バーカー、サブリナ・バートレット、ハリエット・ケインズ、ベッシー・カーター、ニコラ・コークラン、フィービー・デネヴァー、ルース・ジェメル、フローレンス・ハント、クローディア・ジェシー、ベンミラー、ルーク・ニュートン、レジェ=ジェーン・ペイジ、ゴルダ・ローシュヴェル、ルーク・トンプソン、ウィル・ティルストン、ポリー・ウォーカー
Netflixドラマ「ブリジャートン家」 あらすじ
(C)2020 NETFLIX WORLDWIDE ENTERTAINMENT, LLC.
1813年のロンドンで名門貴族のブリジャートン家に住む8人兄弟の長女、ダフネ(フィービー・ディネヴァー)が舞踏会にデビュー。その美しさで「今季のダイヤ」評価されるも兄アンソニー(ジョナサン・ベイリー)の過保護のため、また同じ日にデビューしたマリーナ・トンプソン(ルビー・バーカー)に話題を取られてしまったことで、ダフネの社交界デビューは幸先の悪いものになる。一方で「レディーホイッスルダウン」と名乗る謎の記者が発行する新聞にダフネやマリーナのことが掲載されますます評判を落としてしまったダフネは焦る。一方で結婚をしないと宣言しているとされるサイモン公爵(レジ=ジーン・ペイジ)が社交界に顔を出すようになる。ダフネは落ちた評判を回復し、サイモンは自身を結婚させたい人々を黙らせたい。そんな二人の利害はふとしたきっかけで一致。二人は恋におちているフリをすることでお互いの問題を解決しようとするのだった。
Netflixドラマ「ブリジャートン家」 登場人物/キャスト
ダフネ・ブリジャートン(フィービー・ディネヴァー)
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王妃から「今季のダイヤ」と評されたブリジャートン家の長女。
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アンソニー・ブリジャートン(ジョナサン・ベイリー)
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ダフネの兄。父親亡き後ブリジャートン家の主として妹の結婚の世話をしようとする。オペラ歌手と付き合っている。
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マリーナ・トンプソン(ルビー・バーカー)
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フェザリントン家とは遠い親戚である農場の娘。フェザリントン家から社交界にデビューする。
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サイモン・バセット(レジ=ジーン・ペイジ)
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結婚はしないと宣言している公爵。
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エロイーズ・ブリジャートン(クローディア・ジェシー)
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ダフネの妹。社交界や結婚して家に入るという風潮になじめない。
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ペネロペ・フェザリントン(ニコラ・コークラン)
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エロイーズの親友。外見に対する劣等感がある。
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爵位について
公爵 Prince, Princess
Duke, Duchess
侯爵 Marquess/Marquis, Marchioness
伯爵 Earl/Count, Countess
子爵 Viscount, Viscountess
男爵 Baron, Baroness
作中に頻出する爵位の順位は上記通り。公爵はかなり偉い人なんだなと覚えておけば問題ない。
Netflixドラマ「ブリジャートン家」 ネタバレなし感想
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話題になっていたのは知っていたけれど、正直ちっともこのシリーズをなかなか見始めることができなかったのが正直なところ。イギリス、爵位、社交界というキーワードが出てくるだけで時代劇的なハードルの高さを感じてしまうのはきっと僕だけではない思う。
ただ、見終わった今であればそんな先入観で視聴を避けるのは勿体ないドラマだと断言できる。そして実際に見始めればすぐに「ブリジャートン家」は18世紀イギリスを”モチーフ”にしつつも、至極現代的なドラマであることがすぐわかるはずだ。
イギリスの社交界という設定はストーリーの軸として置いているが、設定として使っているのは”男尊女卑が当たり前の古い社会”という部分や時代背景のみで登場人物の感覚は現代人のものにかなり近い。
また古い時代背景の中にある現代的観点、という物語の異質さは端々に見て取れる。まず最初に違和感を持つだろう部分はモーツァルトや海外の法廷を思わせる巻き髪のカツラを被った貴族や従者の中にアフリカ系の人々が多く含まれていること。人種差別がガッツリ露骨にあったはずの時代に黒人が貴族と同じ空間にいるほうが社交界を描く物語としては典型的という言葉からほど遠いし、この物語に出てくる王妃もアフリカ系である。また登場人物たちの衣装も伝統的な衣装をモチーフにしながら、女性の胸元がざっくり開いているデザインだったりとあか抜けたものが多く含まれる。そして社交ダンスの曲にビリー・アイリッシュの「Bad Guy」やショーン・メンデスの「In my blood」のアレンジを使ったりと実際の時代を意識的に外してきている点にも気づく人も多いだろう。
そしてこの「ブリジャートン家」メインとなるのは、「周りがうるさいので付き合っているフリをした二人が実際に恋に落ちていく」というべったべたなラブストーリーである。このベタさがある意味新鮮に見えるのもチョイスした時代背景と、現代的な演出のたまものではないかと思う。設定から見たストーリー自体はベタでも時代背景というギャップを加えるだけでこんなにドラマが生まれるのかと驚かされた。
またストーリーを物語っていくのはゴシップ新聞の著者・正体不明の「レディ・ホイッスルダウン」で、この人物が一体誰なのかという要素も楽しめる。なかなかトリッキーな設定ではあるものの、ベースとなっている世界観は18世紀の社交界であり、その正統派な流れがあるからこそオールドスクールなラブストーリーが映える。
2020年12月25日配信から28日で6300万世帯が視聴したこの「ブリジャートン家」はシーズン2の配信を前に既にシーズン4までの更新が決まっている。人気のほどがうかがえるも長くなりそうなのがわかると若干見るのも気が引けるかもしれないが、シーズン1は少なくとも単体で十分にまとまっているし、面白さは間違いない。またシーズン1の最終話には「レディーホイッスルダウン」の正体も…。
色々な意味でまずシーズン2が楽しみである。