Netflixドラマ「GIRI/HAJI」レビュー
逆輸入ヤクザモノ GIRI / HAJI 義理/恥
原作・制作:ジョー・バートン
出演:平岳大、ケリー・マクドナルド、窪塚陽介、ウィル・シャープ、奥山葵、本木雅弘、中村優子、丘みつ子、アンナ・サワイ、チャーリー・クリード=マイルズ
GIRI / HAJI 義理 恥 あらすじ
(C)Sister Pictures(Giri) Limited MMXIX
ロンドンでヤクザの組長の甥が殺される。犯行に使われた凶器の刀は敵対する組で組長を務める福原(本木雅弘)のものであり、それを持っているのは死んだと思われていた森勇人(窪塚陽介)だけのはずだった。その真実を突き止めるため勇人の兄であり刑事である健三(平岳大)はロンドンへ向かうことになる。
GIRI / HAJI 義理 恥 登場人物 キャスト
森健三(平岳大)
It was absolutely my pleasure and honor to appear in the British telly. Until next time, #girihaji pic.twitter.com/e1bNXdKmir
— 平 岳大 (@hira_takehiro) December 5, 2019
英語が堪能なのはアメリカに留学経験があるため。
森勇人(窪塚陽介)
久しぶりのドラマ出演。古くはドラマ「池袋ウエストゲートパーク」などにも出演していたが、2005年あたりからドラマ出演はしなくなっていた。
福原(本木雅弘)
若い人だとお茶のCMの人とか、映画俳優というイメージしかないと思うが、もともとジャニーズのアイドル。
セーラ(ケリー・マクドナルド)
映画「トレインスポッティング」でダイアン役だった彼女も今ではすっかり大人の女性に。
多紀(奥山葵)
上京して1年でNHKドラマに出演、そしてNetflixドラマでなかなかのポジションを射止めた彼女は幼く見えるが現在20歳だそう。
ロドニー(ウィル・シャープ)
本名William Tomomori Fukuda Sharpeイギリスと日本のハーフ。8歳まで日本に住んでいたとのことだけれど、劇中のカタコトの日本語が素なのか芝居なのか気になる。
GIRI / HAJI 義理 恥 ネタバレなし感想
(C)Sister Pictures(Giri) Limited MMXIX
外国人が作ったヤクザモノとしてはNetflixでは映画「アウトサイダー」に続き2作目。題名からしてVシネかよ、と突っ込まざるを得ないほどのベタなタイトルではあるもののこれを外国人が作るとまた別物になるというわかりやすい例だと思う。日本人から見るとヤクザ像がちょっと違うようにも感じるけれど、そもそもヤクザという世界のリアリティは一般市民からしてみればフィクションの上で成り立っているわけで(仁義なき戦いなど綿密な取材の上作られた作品もあるけれど)、これはこれとして見ると楽しめると思う。
現在のストーリーに過去のシーンを挟みながら物語は進んでいくという構成で、ヤクザモノにつきものの各キャラクターのしがらみの見せ方がうまくそれらがストーリー上でどう絡んでいくのか…という部分はなかなか見どころである。
ただ鼻につきそうな部分は色々ある。一番問題なのは日本語の違和感だろう。おそらく英語から翻訳され修正はされているだろうけれど、元の脚本を大事にしているためかやはり不自然なセリフだったりするし、日本人俳優が英語を話すシーンの英語が流暢すぎるのも正直違和感がある。
日本固有の「ヤクザ」というコンセプトを日本人から見ると逆輸入しているわけで文化のずれはある程度は仕方がないのかもしれないけれど、結果としては原作が外国人であるというハンデ分を差し引いて考えないと他の作品と比べて見劣りしてしまうかもしれない。少なくとも完全にバイリンガルな脚本家が脚本を書き、バイリンガルな監督が撮らないと言語の違和感を取り去ることは難しいだろう。逆に言語や文化の壁が完璧に超えられないからこその味もあると思う。結果個人的には文化的違和感を差し引いても面白いと感じて最終話まで見ていた。
が、最後の最後で斜め上から驚かされたため、結果としてはなんだかよくわからない(いや、やりたいことはわかるのだけど)ラストを迎えたなぁ、という感覚になった。監督の描きたいことが理屈抜きで心に入ってくる人には良い最終回だったのかもしれない。僕には入ってこなかったが。