【能力バトルの生みの親】ジョジョの奇妙な冒険part3
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会
すべての能力バトルの生みの親
「ジョジョの奇妙な冒険 part3 スターダストクルセイダーズ」 2016年
監督:津田尚克(ディレクター)
シリーズディレクター:加藤敏幸(3rd)
声の出演:小野大輔、石塚運昇、平川大輔、小松史法、三宅健太
ざっくりあらすじ
物語は1987年の日本から始まる。ジョセフ・ジョースターの祖父ジョナサン・ジョースターの肉体を持つ吸血鬼Dioが”スタンド”と呼ばれる能力に目覚めたことをきっかけにそのジョナサン血族である、ジョセフ、ジョセフの娘のホリィ、ホリィの娘の空条承太郎にもスタンド能力が発現する。だが、闘争本能の弱いホリィには”スタンド”を制御できず、高熱を出して倒れてしまう。ホリィの命は持って約50日。その期間にDioを見つけ出し倒すしかホリィを救う手段はない。かくして承太郎たちはDIOが潜んでいると思われるエジプトに向けて旅立つのだった。
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会
能力バトルの元祖と呼べるのでは
今では能力バトル、なんて呼び方ができるほど一般的になったバトル漫画の元祖とも呼べる作品ではないだろうか。本作は「ジョジョの奇妙な冒険」の第3部にあたる。「スタンド」という概念が登場したこの第三部が「ジョジョ」というシリーズを不動のものとしたと僕は思う。また”バトル”と言っても相手の能力を知らないまま戦うため、相手の能力や弱点を推測するという頭脳戦の要素が強いのも魅力だ。「すべての能力バトルの生みの親」なんて言ってしまっても実際過言ではないと思う。
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会
独特の世界観
なぜポージングが魅力的なのかと言えば、ポーズというものは人に記憶されるものだからです。(中略)そのポーズを見ればその人物がどういう感情を抱いているのかすらわかるのですから、絵においては非常に重要な要素だといえるでしょう。~荒木飛呂彦の漫画術より
作者の荒木飛呂彦は登場人物のポーズにかなりこだわりを持っていて、「ジョジョ立ち」なんて呼ばれてる一見様子のおかしなポーズ(笑)も独特の世界観を形成する一端を担っている。
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会
よくあるバトルアニメとは一線を画す
戦うことを主題に置いているアニメは多くあれど、ジョジョほどバラエティにとんだ戦い方も珍しいと思う。単純に主人公たちのスタンド能力のゴリ押しで戦っていくのではなく、敵は最も得意な戦い方で勝負を挑んでくるので頭をひねらないと倒せなかったりする。
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会
王道をゆくストーリー
絵柄や各キャラが持つスタンドのデザイン等独特なセンスをもって描かれている部分が目立つが、ストーリーはかなり王道的で安定感がある。承太郎たちがエジプトに向かうまでの間にDioの放つ刺客を倒していくという話の流れも各回で綺麗にまとまっている。原作ファンで見てない人はいないだろうが、原作をかなり忠実にアニメ化されており、原作ファンも納得の出来になっている。僕は漫画も全巻読んでいるがアニメ版も十分楽しめた。昔漫画を読んだことがある人にも十分おすすめできる作品となっている。
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会