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カンヌで話題だった「オクジャ」

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(C)2017 MIRANDO PRODUCTIONS

カンヌで物議をかもしたネットフリックスオリジナル映画 「オクジャ」

監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ジョン・ロンソン(英語版)
製作:ポン・ジュノ、チェ・ドゥホ、デデ・ガードナー
キム・テワン、ジェレミー・クライナー、ソ・ウシク、テッド・サランドス
出演:ティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、アン・ソヒョン(英語版)
ピョン・ヒボン(英語版)、スティーヴン・ユァン、リリー・コリンズ、ヨン・ジェムン(英語版)
シャーリー・ヘンダーソン、ダニエル・ヘンシュオール(英語版)、デヴォン・ボスティック
チェ・ウシク、ジャンカルロ・エスポジート、ジェイク・ジレンホール

鬼才ポン・ジュノ監督最新作!『オクジャ/okja』予告編

 

「オクジャ」 あらすじ

2007年、アメリカ企業ミランド社はスーパーピッグと呼ばれる新種の豚を発見し、その子供を26匹生ませることに成功した。スーパーピッグとは少ない飼料で育ち、排泄物も少なく、そして大きく育つ豚である。ミランド社はこの26匹のスーパーピッグを世界中26の国の農家に託し、どの農家が最も大きく美しく育てることができるかプロモーションを兼ねたコンペ”ベスト・スーパーピッグ”を10年後の2017年に開催するとした。韓国のとある農家に預けられたスーパーピッグはオクジャと名付けられ、農家の娘ミジャと仲良く暮らしていた。そして2017年、大きく健康に育ったオクジャは”ベスト・スーパーピッグ”のために連れていかれることとなった。だがミジャはオクジャは自分の家で買い取ったと祖父に嘘をつかれていたため、オクジャが連れていかれることを知らなかった。かくして連れ去られてしまったオクジャを追いかけてミジャはソウルへ向かうのだった。

(C)2017 MIRANDO PRODUCTIONS

 

 

賢くて優しいオクジャ

言葉は話せないもののミジャの言うことは理解している様子のオクジャ。ミジャとはかなり仲良し。そりゃー連れていかれりゃ必死で取り戻しに向かいます。だって友達だから!序盤のミジャとオクジャの交流はグっとくるものがありました。

(C)2017 MIRANDO PRODUCTIONS

 

 

え、待って待って…でも元々食用…ですよね…オクジャって

まぁ、飼育しているうちに情が移ったということなんだろうけど…いや細かくて申し訳ないのだけれど…、例えば漫画「銀の匙」であったような「食用のブタには名前は付けるな、あとで苦しむのは自分だ」みたいな食用の豚を愛情を持って育てることへのジレンマって農家じゃ日常っすよね…。ミジャもオクジャだけ妙に思い入れがある設定が若干の違和感。まぁオクジャ賢いからなぁ。めったにないけど、今回は情が移っちゃったんだね。そういうことにしておくよ。

(C)2017 MIRANDO PRODUCTIONS

 

 

オクジャのために頑張るミジャがかなりアグレッシブ

なけなしの金でオクジャを追ってソウルに来るミジャだが、彼女がかなりアグレッシブ。なんとなく動物が友達で田舎の女の子というと控え目な心優しい少女みたいな先入観が浮かんでしまうがミジャは違う。いや、心はきっと優しいに違いない。だが田舎育ちで常識がないのか、怒っているからなのか、ミランド社のエントランスをぶちやぶって侵入したり、走るトラックに飛び移ったりと最近の刑事モノや探偵モノですらやらないようなアクションをがんがん決めていく。

(C)2017 MIRANDO PRODUCTIONS

 

 

ネットフリックス+プランB製作ならでは?白黒つけがたいテーマ

プランB製作といえばこの間のクソ映画「ウォーマシーン~戦争は話術だ~」が記憶に新しいが、同じくプランB製作の「オクジャ」にも共通しているのは白黒つけがたいテーマだということ。(※注「オクジャ」のほうが数10倍面白いです)例えば”食用”として育てられたスーパーピッグが食用に殺されてしまうのを果たしてかわいそう!ありえない!残酷!と手放しに思うことができるものだろうか。でもこの気持ちになれないとミジャに感情移入できないような気がする。途中で出てくる過激派動物愛護団体もなんだか白黒つけがたいというか、なんかやっぱり手放しで共感できない。白黒つけがたいものに白黒をつけずに描くのが最近のプランBのスタイルなのかもしれない。そんな一連のテーマに対して「オクジャ」ではある意味での結論が描かれている。そんな象徴的なシーンというよりはサラっと流れていったシーンだけれどね。

(C)2017 MIRANDO PRODUCTIONS

 

 

カンヌで物議をかもしたのは内容ではなくネットフリックスのやり方

フランスには映画館を守るための規制があり、Netflixのような定額制動画配信サービスは、劇場公開から36ヵ月経過後でないと配信できないというルールがあるそうで、フランス映画館連盟の抗議を受けてカンヌ映画祭は劇場公開するようネットフリックスに求めたが、ネットフリックスがこれを拒否。結果2018年からのカンヌ映画祭出品条件としてフランス国内での劇場公開を義務づけた。ネットフリックスに強く抗議したのは、このフランス独自の文化政策を主導するフランス国立映画センター(CNC)と映画館協会。CNCはカンヌ映画祭の半分以上の予算を負担しているということだ。そりゃカンヌに対してパワーは強いわけです。
実際この議論は「オクジャ」にとっては良い宣伝になったんじゃないか、と思っていたんだけど、韓国では劇場公開をボイコットする動きがあったらしく、大作ならば600のスクリーンで上映するのが一般的なところ、100数スクリーンでのみの上映となったそうだ。劇場側は劇場公開の3週間後の配信をネットフリックスに求めたがネットフリックスはこれを吞まなかったということらしい。

たぶん「オクジャ」の中でもテーマの一つである「資本主義とその相反するモノ」というテーマが映画を飛び出してまで物議を醸しているのは偶然なのかネットフリックス側の仕掛けなのか…。

なんにしてもこの流れのせいで映画館がなくなるのは困るので、うまく共存できるシステムを構築してほしいものです。