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【ボラット】ラリー・チャールズのデンジャラス・ワールド・オブ・コメディ【ブルーノ】

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(C)2018, Netflix Studios LLC and Netflix Global,LLC

世界のお笑い現場から ラリー・チャールズのデンジャラス・ワールド・オブ・コメディ

Larry Charles’ Dangerous World of Comedy | Official Trailer [HD] | Netflix

出演:ラリー・チャールズ

世界の危険な地域に生きている人々のコメディってどんなの?そんな場所で人は笑えるのか?そんな疑問を映画監督ラリー・チャールズが世界中の危険地帯に行き、直接現地のコメディアンたちにインタビュー取材していくという番組。

ラリー・チャールズのデンジャラス・ワールド・オブ・コメディ 内容

パート1


(C)2018, Netflix Studios LLC and Netflix Global,LLC

イラクのコメディを追う。中東では毒舌を単純に侮辱と考えて怒り出す人が多いため、スタンドアップコメディは難しい。そして例えばイラクで政府批判すれば暗殺の危険性があるし、セックスもタブー。でもISISの処刑はネタにできるというかなり特殊な環境。またエボラ出血熱の流行がきっかけでコメディ人気が復活したというリベリアのコメディアンの声を聞く。リベリアは1986年~2003年に断続的に起きた2回の内戦の影響で世界最貧国のひとつに数えられる国で、エイズ、エボラ出血熱、政府の汚職で笑いが取れるという。でもリベリアではコメディがお金にはならず副業をしながらコメディアンをしているケースがほとんど。明日の食事にも困るような状況でなぜ人はコメディをやり続けるのか。

パート2


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元軍人で現コメディアンのアメリカ人やリベリアやソマリアのコメディアンなどを通して戦争や人の生死に深くかかわっている人間たちの笑いのツボなどを追う。戦闘地域で人はどんなネタで笑うことができるのか。元ISISの男、元アルシャバブ(ソマリアのイスラム過激派)の男へのインタビューではテロリストの間ではどんなギャグがウケるのかを聞く。

パート3


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アフリカ系アメリカ人、アメリカ原住民、不法移民や少数民族などのアメリカに住むマイノリティの笑いを追う。白人ならイタズラで済むが黒人がやると命の危険が伴うという類の動画で人気を博す黒人Youtuber、アパルトヘイト時代の南アフリカで育った黒人と白人のハーフ、アメリカ原住民コメディアン、子供のころ親が不法移民してアメリカに住む現在では不法移民者として逮捕におびえながらコメディーショーで公演するコメディアン等に笑いのネタとしての人種差別について聞く。

 

パート4


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女性蔑視、同性愛嫌悪ネタなどについて取材していく。サウジアラビア、ナイジェリアは女性蔑視がひどく、特にナイジェリアでは女性に対する支配、暴力が一般的でレイプが容認されている。そんな社会の中ではレイプは産業であり、文字通りジョークとして扱われることも多いらしく、レイプネタで女性客が爆笑しているのがとても衝撃的。またナイジェリアではゲイに対しての蔑視もひどく、アメリカだったら大問題になりそうなネタをやる人気コメディアンがいたりする。そんなナイジェリアのコメディアンたちの話を聞く。

 

ラリー・チャールズ

「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」、「ブルーノ」などサシャ・バロン・コーエン扮するキャラクターで一般人にイタズラをさせるシリーズで有名に。その後「ディクテイター」、「オレの獲物はビンラディン」などの監督を務める。とにかく笑いの種類が過激で、例えば「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」は、サシャ・バロン・コーエンがカザフスタン人のボラット名乗りアメリカ各地を旅していくモキュメンタリー(偽ドキュメンタリー)なのだが、内容としては「文化交流」と称してアメリカ中を旅しながら”アメリカ文化に無知な外国人”として一般人にイタズラを仕掛けて回るというもの。エレベーター内を部屋だと勘違いしてボーイを困らせたり、水洗トイレの便器にたまった水で顔を洗うなどの文化の違い的イタズラから、口を開けばユダヤ人が嫌いだ、いう人種差別的発言を堂々とするなど(サシャ・バロン・コーエン自身はユダヤ人なのだけど)かなりギリギリを攻めたコメディ作品になっている。

 

ラリー・チャールズのデンジャラス・ワールド・オブ・コメディ ネタバレなし 感想


(C)2018, Netflix Studios LLC and Netflix Global,LLC

世界の危険な地域のお笑いを紹介する番組と書いてあったので、そんな地域の笑える動画なんかを紹介する笑える番組なのかなと思ってみたけれど内容は意外とシリアス。見ていると危険な政府やテロリストに睨まれながらそれらの風刺をするということは生半可な覚悟ではできないことがわかってくる。特に風刺を得意とするコメディアンが暗殺されるケースも多く、ある地域ではコメディショー自体が正しい情報を発信するための戦いであったりするという現実に単純に驚いた。また同時に危険な場所いたり、そこから帰ってきた者にとってコメディはある種の癒しであり、生きるために必要な要素の一つにもなりうるという。戦争で片目をなくしたストリートパフォーマーが「これの他にしたいことはある?」という質問をされた時、言葉に詰まってしまうというシーンがとても印象的だった。またナイジェリアのコメディ事情もなかなか衝撃的だ。笑いはその国の文化がベースになっているので、この番組を見ると全世界に通用するお笑いを作るのはなかなか難しいのがよくわかる。この番組では例えば危険な国の描写として暴力や、死体、殺人のシーンがサラッと含まれているのでグロが苦手な人にはおすすめしない。あと各国の笑いについて至極マジメに取材している番組なので実は笑えるタイプの番組ではない