人気韓国ドラマ「梨泰院クラス(イテウォンクラス)」レビュー
梨泰院クラス あらすじ
原作・制作:キム・ソンユン、チョ・ガンジン
出演:パク・ソジュン、キム・ダミ、ユ・ジェミョン、クォン・ナラ、キム・ドンヒ、アン・ボヒョン、キム・ヘウン、リュ・ギョンス、イ・ジュヨン、クリス・リヨン
梨泰院クラス あらすじ
同名のウェブコミックのドラマ化。主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)が、高校中退、殺人未遂という前科を背負うことになりながらも、梨泰院で居酒屋を開き、外食業界一位の企業「長家」の会長と対立しながらのし上がっていく。
梨泰院クラス 登場人物/キャスト
パク・セロイ(パク・ソジュン)
父の教えをかたくなに守る不器用な正義漢パク・セロイを演じる。
オ・スア(クォン・ナラ)
もともとHELLOVENUSというアイドルグループのメンバーで脱退後、女優として活躍。
チャン・デヒ(ユ・ジェミョン)
パク・セロイの宿敵にして長家の会長を演じたユ・ジェミョンは韓国では遅咲きの名脇役的俳優。
チョ・イソ(キム・ダミ)
ビジュアル的には完全にクォン・ナラのほうが良いように見えるのだけど、キム・ダミは芝居でチョ・イソという天才少女をめちゃくちゃ魅力的に見せている。もともとその高い演技力で映画のオーディションを勝ち抜き、芸能界入りしたという。
チャン・グンウォン(アン・ボヒョン)
チャン・デヒの実子チャン・グンウォン役としてアホなドラ息子役を見事に演じているアン・ボヒョン。このわかりやすくあほな、金持ちドラ息子というポジションの彼も物語を大いに盛り上げてくれる。
梨泰院クラス ネタバレなし感想
韓国国内で放送されるドラマは1シーズンが16話であることが多く、この「梨泰院クラス」も例外ではない。正直韓流ドラマは苦手なほうで、ラブロマンス的なストーリーを16話も見続けられる自信はそもそもなかった筆者だったが、同じく16話構成の「愛の不時着」が十分最後まで見続けられるクオリティだったこともあり「梨泰院クラス」は比較的食いつきやすかった。一話目のベタベタな学園ものラブストーリーかと思わせる出だしからいい意味で裏切ってくれるところはむしろ「梨泰院クラス」のほうが気が利いていたと思う。全体としてみればラブコメ比率は意外にも低く、16話をフルに使って笑いあり、ラブコメあり、ヒューマンドラマありとエンタメ満載のドラマになっている。
主人公パク・セロイは「信念を曲げずに生きろ」という父の教えを守って生きることで韓国外食産業のトップに君臨し金の力で法をも捻じ曲げる「長家」と対峙することになり、困難に立ち向かいながらも仲間を増やしていく。まずなによりもこのパク・セロイのキャラクターが面白く、器の大きさで仲間に慕われていく様にワンピースのルフィを思い起こす人も多いのではないかと思う。後に理想家と呼ばれる彼が現実でもありそうな困難や問題に対し「そんなん無理やろ」と誰もが思うような答えを出し、一見無理そうなアイディアを文字通り気合と根性で理想に向かって進んでいく様は見ていて気持ちがよかった。また3話目くらいから出てくるIQ162の天才少女チョ・イソがセロイの強力な仲間になっていくのだけど、天才でありながら他人に関心がないというソシオパス(共感力の欠如、自分のこと以外関心がないなどの特徴)というなかなか面白いキャラクター。ビジュアル的には一話目から登場するスアのほうがかわいいように見えるのだけど、回が進むたびにこのチョ・イソがどんどんかわいく見えてくるのはきっと僕だけではないはず。彼女の演技力の高さは折り紙付きだそうだ。
基本的な構成としては、なんの因果か行く先々で立ちはだかる「長家」から降りかかる困難をパク・セロイが持ち前の気合と根性で仲間と一緒に乗り越えていくというストーリーだが、そうこうしている間に見始めると16話はあっという間だと思う。強いて悪い部分を言えばエンターテイメント性が高い分、ご都合主義的なイベントは発生するので「そういうものとして楽しむ」気持ちは必要かもしれない。それでも登場人物の心境などにも最低限の伏線はあるので、うがった見方をしなければ比較的すんなり都合の良い展開すら受け入れられるのではないだろうか。世間でも十分流行っているとは思うが個人的にも2020年上半期のNetflixでは一番面白かったドラマだと思う。
ただ、よくよく考えてしまうとツッコミどころは多いのでご注意を。「お約束をお約束として」楽しめる人にはオススメだ。