コカイン密売の歴史「ナルコス」
(C)2015 NARCOS PRODUCTIONS LLC,
コカイン密売の歴史「ナルコス」
原作・制作:クリス・ブランカトー、カルロ・バーナード、ダグ・ミロ
出演:ワグネル・モウラ、ペドロ・パスカル、ボイド・ホルブルック、ダミアン・アルカサル、アルベルト・アンマン、フランシスコ・デニス、ペペ・ラパゾーテ、マティアス・ヴァレラ、マイケル・スタール=デヴィッド、マット・ウィーラン、アルトゥーロ・カストロ、ハビエル・カマラ、ホセ・マリア・ヤスピク、エリック・ランジュ、ブレット・カレン、ミゲル・アンヘル・シルベストレ、ケリー・ビシェ
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「ナルコス」あらすじ
シーズン1からシーズン3で、1970年代創設されたコロンビアの最大の麻薬密売組織メデジン・カルテルの隆盛からその没落、そしてその後の新たな勢力の台頭までを描く。題名のナルコス(Narcos)は麻薬密売人を指す。コロンビアで実際にあった物語をベースにしているということもあり、当時の実際の映像がドラマの途中に挿入されたりする。また例えばパブロ・エスコバル役のワグネル・モウラやスティーブ・マーフィー役のボイド・ホルブルックなどはOPにも実際の写真が映し出されるがかなり似せた人物を採用している(特にスティーブは瓜二つ)。
「ナルコス」 パブロ・エスコバルがクズすぎる
シーズン1、2で活躍するドラッグカルテルを1から作り上げた男パブロ・エスコバル。相当の悪党なのだから当たり前かもしれないが、パブロのセリフやそのキャラクターは相当胸糞が悪い。好戦的な相手にも丁寧な言葉遣いだったり、一見寛容な人柄に見せながら、その本性の言葉とは裏腹に短気で気性が荒くプライドの高い絵に描いたようなクズ野郎である。悪党でありながら政治家のような物言いがとても胸糞が悪いがそのあたりのリアルなクズっぷりは見どころであるといえるだろう。実際にそのすがすがしいほどのクズっぷりは逆に魅力となるのか、パブロは力をつける度にカリスマ性を高めていく。
「ナルコス」 めちゃくちゃ死体やら怪我がめちゃくちゃリアル
手法としては「ゲットダウン」みたいな、当時の映像と混ぜながらドラマを展開していくのだけれど、とにかく血だったりけがだったり死体だったりがとてもリアル。ネットニュースなんかで時折見るような死体等にものすごく近い。というか実際の死体かと思うほどエグく映している。また当時の実際の映像を交えながらドラマを描いていくので作り物のはずのドラマの中の死体やケガもよりリアリティが増して見える。ごはんがまずくなるかもなので死体シーンの引用はしないけれど、ほんと結構エグいと思う。
世間で評価の高いナルコスだが
個人的には全然面白さがわからず、シーズン1の1話~2話で何度も視聴を諦めたという経緯がある。シーズン1ではコロンビアで一大ドラッグカルテルを作ったパブロ・エスコバルをDEA捜査官スティーブ・マーフィーの視点で描く。大河ドラマのように歴史的背景を追いながら、特にシーズン1、2はパブロ・エスコバルとその組織の動向を追う形でストーリーは進んでいくが、スティーブの視点で描くため、ほとんどの出来事が伝聞的に描かれ(スティーブはパブロの周りにいるわけではないため)、まるでニュースかドキュメンタリーでも見ているような感覚になる(実際の映像を挟むのもこの効果を助長している)。たぶんこの雰囲気が好きか嫌いかでナルコスの印象は変わってくるのではないだろうか。正直この淡々と進む感じが僕は若干苦手だった。
ナルコスと言う好きな友人の話では
「人がバタバタ死んでいくし、なんにも考えずに見れるし、おもしろいよ」と友人がいうので見てみたが、確かに人はバタバタ殺されるが、序盤はパブロから遠い下っ端が殺さることが多かったのもあり、正直「ふーん。あっ、そう」程度。物語が進んでいけば主要人物も危険にさらされ始めるのでスリリングさが増していくと思う。
「ナルコス」 ネタバレなし 感想 シーズン2まで
僕個人の感想だけど、面白くなるのはシーズン1のエピソード8からで、それ以前は見ながら寝てしまうことしばしばだった。ナルコスには大河ドラマ的な歴史をなぞる面白さという部分があるのかもしれないけれど、管理人は史実として知りたいならドキュメンタリーで見たいと思うタイプなので、本筋以外(主要人物に直接関係のないサイドストーリー)はただただダルい。だとしてもシーズン1エピソード8あたりからは十分に濃い内容なので物語のテンションも常に高く素直に面白かったと言える。方向性で言えば個人的に好きな深作 欣二 監督の仁義なき戦いの一作目のような壮絶さや抗争のゴタゴタ感がよかった。ただ、それ以外の展開はもっさりしているので僕は代表作と言えるほどキャッチーな作品ではないと思う。シーズン3の頭までは見たが、よっぽど暇にならないかぎりその先を見る気は現状していない。ただ、途中とても面白かった部分があるのは確かではある。ただ、実際管理人の周り人間は「ナルコス」を面白いということが多いので実際多いので2、3話見てみてもいいかもしれない。
個人的な話だが飛行機移動の合間で見るためにシーズン3までまるごとダウンロードしていたのもあって、多少無理やりシーズン1を見た感はあるが、シーズン1後半からシーズン2は比較的面白く感じた。もしこれが「ナルコス」の世界観への慣れとは関係ないのだとすれば、僕のようにシーズン1の数話でイマイチな印象を受けた人はむしろシーズン2から見るほうがいいかもしれない。正直自分ではよくわからないけれど、わかるのはシーズン2のほうが登場人物のアグレッシブさや作戦にに拍車がかかってくるから見た目が派手。それもあってシーズン2オススメだ。逆になぜシーズン1ではナルコスたちがおとなしかったのかという疑問はあるが、史実がそうなっているのかもしれない(でなければ、作り手はシーズン1にテンションを挙げたシーンが撮りたかったはずだと想像してしまうから、というだけの理由だけど。)シーズン2はメデジン・カルテルとコロンビア政府との闘いを描くが、登場人物のアグレッシブさを逆手に取る戦略であったりと色々当時の情勢であったり、社会環境を考えれば恐らくさほど驚くことではないんだろうけれど、僕自身は展開に驚かされることが多かった。やはり麻薬王に成り上がるまでに至ったパブロ・エスコバルの人間性が彼の身の安全が脅かされるたびに明るみになるのは面白かった。ちなみに僕の友人はシーズン2はイマイチだったと言っている。
余談 ドラマの面白さとは
結局管理人はネットフリックスオリジナルシリーズの代表作であり、世間の評価も高い「ハウスオブカード」「ザ・クラウン」「ナルコス」が比較的苦手という結果に若干驚いている。「ハウスオブカード」と「ナルコス」は面白いは面白いが展開のもっさり感がどうも苦手だ。ネットフリックス作品のレビューを主に書いている人間としては大丈夫かと若干思わなくもないが、まぁ世間の評価が高いからと言って個人的に面白いとは限らないし、世間の評価通り楽しめない自分のような人間が面白いものを探す手がかりになれば、と思ってこのブログを始めたこともあるので別に構わないのだけれど、ここ一年くらいネットフリックスを見続けてきてやはり思うのはドラマシリーズは特に5、6時間見ないことには面白いところにたどり着かないならもうそれは自分に合わないと思っていいと思う、ということだ。言ってしまえば長くて3話目までで十分。それで面白いと感じなければ、他の評価の高い作品を見始めたほうがよっぽど良作に出会えると思う。現状そんな結論なので「ザ・クラウン」はエピソード2までしか見ていない。
ただ、例えばタランティーノの映画、特に「デスプルーフ」なんかは内容の8割は面白くないのに、ラストシーンを見るためにそのつまらない8割を我慢する価値があると思える作品である。ただ、それにしたって我慢するのは1時間少々である。ドラマの場合もこのケースがあるかもしれないと思い世間の評価の高いものは比較的頑張って見ていたが、やっぱりなかなかお目にかかることはない。ただアニメなら「シュタインズ・ゲート」なんかは本当に面白くなったのは10話を超えてからだったし、「四畳半神話大系」なんかラスト2話のためにそのほとんどを多少我慢すべきとすら思う作品もある。そして我慢しなければならない部分を含めいずれも良作であったと思う(デスプルーフに至っても8割のつまらない部分があってこそのラストだと思う)。そういった例も経験上あるのでやはり一概には言えない。そんなわけで個人的にはドラマで出会ったことは未だにないけれど、後半に突然面白くなる作品も稀ではあるがあるにはある。そんな可能性も考えながら「ナルコス」を見ていたが、シーズン3の序盤まででいうならばその例に自分の中では当てはまらないようだった。
なんにせよ、楽しみ方、面白さを感じる部分は人それぞれだと思うので、参考程度に考えてもらえたら幸いです。