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【エマ・ストーン】マニアック【ジョナ・ヒル】

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(C)2018 Paramount Television

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
原作・制作:パトリック・サマーヴィル
出演:エマ・ストーン, ジョナ・ヒル, ジャスティン・セロー,サリー・フィールド ,ソノヤ・ミズノ ,ジュリア・ガーナー ,ビリー・マグヌッセン ,ジェマイマ・カーク

Maniac | Official Trailer | Netflix


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「マニアック」あらすじ


(C)2018 Paramount Television

統合失調症と診断され苦しむオーウェン(ジョナ・ヒル)は、裕福なミルグリム家の面汚し的存在だった。オーウェンは現実と幻覚の区別すらつかない毎日の中で仕事をクビになってしまい、新しい仕事を探すがなかなか良さそうな仕事も見つからず、家族への体面もありネバーディーン社の臨床試験の被験者になることになった。一方、心に家族が崩壊し大きなトラウマを持ったアニーはネバーディーン社のある薬に依存する生活を送っていた。アニーは唯一精神的に開放してくれるネバーディーン社の薬を求めてネバーディーン社の臨床試験の被験者になるのだった。それぞれの理由で同じ薬の治験者となった二人は臨床実験が行われる中で、それまで何のかかわりもなかったにも関わらず、治験中の意識のない状態で精神的な繋がりを持ち始めるのだった。

 

「マニアック」レトロフューチャーな世界観


(C)2018 Paramount Television

モニターはブラウン管だったり、表示されている画像はファミコンレベルのドット、パソコンのコントロールパネルは70年代のスタートレック、ネバーディーン社の治験の説明映像は80年代のような安っぽいエフェクトという一見古い時代を描いているのかと思いきや、AIだったり、高度な広告システムだったり、いろいろと科学技術が進んでいるというレトロフューチャー的な世界が舞台。どんな時代、世界であるのか説明のないまま独自の世界観の中でドラマが動いていく。

 

キャリー・ジョージ・フクナガ監督


(C)2018 Paramount Television

監督は007の次回作の監督が決まっているキャリー・ジョージ・フクナガは本作について以下のように話している。

「僕は異なる世界観や、ジャンルを表現するのが好きなんだ。本作では1つの作品の中にどんな世界でもスタイルでも10個くらい入れても良いということだったので、またとないチャンスだったんだ。エンターテイメント作品でありながら、その裏には深いテーマも隠されているんだ」 ~LAプレミアのコメントより

監督の前作にあたるアフリカの内戦で戦う少年兵を描いた「ビースト・オブ・ノーネーション」とはかなりかなり作風が違う。LAプレミアでコメントしている通り、まさに「やってみたいことを全部やってみた」といった展開でかなり風変りな作品になっている。SF的な部分を抜けば「マニアック」を見て一番最初に思い浮かんだのはデヴィッド・リンチ作品。突拍子もない発想でドラマが繋がっていくため、人によっては筋を追うのが大変かもしれないが、同時にそこが本作の魅力でもある。治験のシーンに突入してからは治験者の脳内の出来事だ、ということでロードオブザリングの世界だったり、80年代だったり、スパイものだったりと本当にやりたい放題である。


(C)2018 Paramount Television

 

 


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マニアック ネタバレなし 感想


(C)2018 Paramount Television

エマ・ストーンとジョナ・ヒルがダブル主演、アフリカの内戦と少年兵をテーマにした映画「ビースト・オブ・ノーネーション」を撮ったキャリー・ジョージ・フクナガがメガホンを取ったということで配信前から随分話題になっていた作品。前述のように「ビーストオブノーネーション」とは随分と毛色の違うSF作品になっている。時代としてはおそらく現代よりも若干の未来でレトロフューチャー的な不思議な世界の中、統合失調症のオーウェン(ジョナ・ヒル)がナチュラルに幻覚を見ることから、視聴者は一体どれが現実なのかと煙に巻かれたままストーリーが進んでいく。構成としてはそれぞれの事情でネバーディーン社の治験の仕事を受けることになったオーウェンとアニーの二人を交互に描いていくというものになっている。幻覚、幻聴が見え本人すら現実と妄想の区別がつかなくなっているオーウェンとトリッキーなアニーの性格、またネバーディーン社の主要な研究員たちのマッドサイエンティストぶりにかなり翻弄されるはずだ。また途中からアニーとオーウェンの脳内での出来事がドラマのメインになってくるので、さらに突飛な展開になっていく。ある程度しっかり見ていないと物語についていけないかもしれない。好き嫌いは分かれるとは思うが、比較的新鮮な印象を受けるのではないだろうか。多くの要素を詰め込み過ぎた作品はとっ散らかってまとまりがなくなることが多いが、「マニアック」は比較的まとまっているほうではないかと思う。個人的な好みとしては話のフォーカスをもうちょっと狭めてくれたらよかったのにとは思うもののラストは好き。なかなか興味深いドラマだと思う。