【意外な展開と結末】四畳半神話大系
最後まで見ると良作アニメ「四畳半神話大系」
原作:森見登美彦
監督:湯浅政明
シリーズ構成:上田誠
脚本:湯浅政明、上田誠
声の出演:浅沼晋太郎、吉野裕行、坂本真綾
「四畳半神話大系」 あらすじ
主人公”私”は農学部に所属する大学3回生で、元浪人生。身長は180㎝ほど。下鴨幽水荘(しもがもゆうすいそう)に住む。プライドと理想は高いが、非活動的で社交性の低い地味な青年。大学入学を機にサークル活動を通じて「薔薇色のキャンパスライフ」を目論むも、小津とともに不毛で無意義な大学生活を送る破目になる。
「四畳半神話大系」SFと呼ぶべき作品
一見何気ない大学生活が始まりそうではある。だが、この物語はSFなのである。タイムマシンが出てきたり、超能力が出てきたりなんてことは起こらない。主人公はただただ大学生活を送るのみである。
「四畳半神話大系」は2、3話見れば大体話は掴める
話は掴めるのだが、諸君の多くはだからなんなのだ?訝しく思うこととなるであろう。これが放送当時の、最後までこの物語を見ずにいた私であり、8話~最終話を見る以前の私である。放送当時たしか私は3話目で見るのを辞めている。そして今日の今日まで見ることはなかった。そんな私だからこそ敢えて言おう。洗濯ものをたたみながらや、料理を作りながらでもいい、5話くらいまでとりあえず耳にでも入れておくことをオススメする。
「四畳半神話大系」がんばって最後まで見る価値はある
序盤は原作者森見登美彦の昭和文士のような言い回しを好ましく思えなければ、見続けることは難しいかもしれない。それでも見続けていれば主人公のただの大学生活も回を追うごとにテンションが上がってゆく。僕の場合はじわじわと毎話面白さが増したように思う。
一度挫折した人間の目線で書いてます
アジアンカンフージェネレーションのジャケットやこの物語の原作の森見登美彦の表紙のイラストを担当する中村佑介氏のイラストがそのまま動くのも十分に面白い…と今では思う。とは言え7年前の私が途中で見るのを辞めてしまっているのもなんとなくわかる。序盤はも少し退屈かもしれない…。
「四畳半神話大系」の全てが10話、11話のための前フリ
後半へ行けば行くほど、語られてこなかった人物の裏側や色々なつながりが見えてきて面白くなってくるはず。そして、さらに全ての話がラスト2話のための前フリと言っても過言ではない。ラストまで見れば面白いという評判は知っていたのだけれど、それでもなかなか手が出なかった。でも改めて見てみてよかった。少し退屈な序盤すら意味があるように思える素晴らしいラストを是非お見逃しなく、とすら今では言いたい(笑)
「四畳半神話大系」 ネタバレなし 感想
主人公が”私”であったりと小説に沿った内容になっているのだと思う。キャラクターデザインの原案は森見登美彦作品の表紙を描いている中村祐介である。小説のイラストの絵がそのまま動くような画風は元の絵を知っているとより興味深いはず。「四畳半神話大系」の原作は未読だが、他の作品を読んだ印象と比べると1話から9話までは小説にある”森見登節”とも呼べる独特の言い回しをそのままアニメにしたような作品になっている。小説で読むよりはアニメのほうが抵抗はないかもしれないが、昭和初期の小説家のオマージュのようなその言い回しには好き嫌いが分かれると思う。1話から9話まで当たり前の学生生活を執拗に描き続けた結果、最後2話が活きるという、ある意味ラストを見るためだけの1クールにはなっているが、そのラストがまたうまく文学的に仕上がっているところが非常によかった。小説をベースに原作の良さを失うことなく見事にアニメ化できているのではないだろうか(原作未読なので想像でしかないけれど)僕のように以前途中で見るのをやめてしまったという人がいたらぜひとも途中からでよいのでラストまで見てみるとよいと思う。