JUNOのエレン・ペイジ主演「タルーラ」
(C) 2016 Mother Pictures, LLC.
「JUNO」のエレン・ペイジ主演 ネットフリックスオリジナル映画
タルーラ~彼女たちの事情 2016年 ネットフリックスオリジナル映画 1時間51分
監督・脚本:シアン・ヘダー
出演:エレン・ペイジ、アリソン・ジャネイ、ザカリー・クイント
タミー・ブランチャード、デヴィッド・ザヤス、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、
フレドリック・レーン、マディ・コーマン、フェリックス・ソリス
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あらすじ
盗みや残飯を漁りながら、バンで半ホームレス的な生活を恋人ニコと続けていたタルーラ。ある日ニコは実家に帰りたいと言い始め、タルーラにちゃんと家を借りてまっとうに生きることを提案する。しかしタルーラがそれを嫌がると翌日、ニコはバンから消えていた。タルーラはニューヨークにあるニコの実家を訪ねるがニコの母マーガレットはニコには2年会っていないという。ついでにタルーラはマーガレットに金を無心するも断られ、残飯を漁るため近くのホテルに忍び込む。そこでタルーラは赤ん坊にかまうことのない若い母親に従業員と間違えられ、彼女が外出しているあいだ彼女赤ちゃんの面倒を見ることになる。そして子供を放っておいて遊び、酔いつぶれて帰ってきた母親。タルーラはそんな母親のもとに子供を置いておくことができず、衝動的にさらってしまう。
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「オレンジ・イズ・ニューブラック」脚本のシアン・ヘダー初監督作品
正直僕は「オレンジ・イズ・ニューブラック」はあんまりピンと来ていなくて、まだシーズン1の途中で見るのをやめちゃっているのですが、「JUNO」のエレン・ペイジ主演ということで見てみました。そしたら「JUNO」でエレン・ペイジの義母役だったアリソン・ジャネイも今回はタルーラの彼氏の母親(マーガレット)役で出演。ちなみにこの映画はシアン・ヘダーがロスのホテルで赤ちゃんの面倒をみるはめになったエピソードから生まれたそうです。
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エレン・ペイジ
ホテルでルームサービスの食べ残しを漁るっていうワイルドさは「JUNO」で1ガロンはありそうなオレンジジュースをがぶ飲みしてたのを思い出させられる。エレン・ペイジはよくも悪くも「JUNO」イメージが未だに強い。そんなめっちゃかわいいわけでも、演技が飛びぬけているわけでもないような気もするけれど、この女優さんはなぜだか目を引く。「JUNO」では妊娠、出産、今作では「母親」がテーマという奇しくも彼女の成長をなぞるようなテーマなのもまた興味深いです。
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誘拐事件ではあるものの
子供を誘拐する、誘拐されるということによって浮彫になる「母親」という存在がテーマであるため、誘拐の犯罪的側面は比較的甘めに表現される。一見キャロラインの育児放棄が酷いため、タルーラがさらったことが正しいことのように見えたりもするが、誘拐を美化、正当化するというわけでもない。それぞれに色々な違いや問題があって、誰が良くて誰が悪いとはせずにただフラットに”こんな思いを持った女性がいる”と描いている。
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心に傷を負った女性たちのドラマ
ニコの母親のマーガレットや、子供を誘拐されてしまうキャロライン、そしてタルーラ。物語が進むにつれてそれぞれに抱えている心に負った傷が見えてくる。また育った環境も状況も年齢も違う彼女たちに共通して欠落した何かが見えてくるかもしれない。そしてそれこそがこの映画のテーマだと僕は思う。
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象徴的なシーン
このシーンがバチっと心に刺さる人にとっては「タルーラ」名作になるに違いありません。
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