【元アル中イケメン中年の末路とは】フレークド
元アル中、未婚の40代の男達のネットフリックスオリジナル日常ドラマ
「フレークド」 ネットフリックスオリジナルドラマ シーズン1(8話) シーズン2(6話)
原作・制作:ウィル・アーネット、マーク・チャペル
出演:ウィル・アーネット、デヴィッド・サリヴァン、ルース・カーニー、ジョージ・バジル、リナ・エスコ、トラヴィス・ミルズ
ロバート・ウィズダム、マーク・ブーン・ジュニア、マシュー・ウィリグ、ヘザー・グラハム、カースティ・アレイ、サブ・シモノー
クリストファー・ミンツ=ブラッセ、ミネルバ・ガルシア、ジェフ・ダニエル・フィリップス
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「フレークド」 シーズン1あらすじ
カリフォルニア州のベニスで暮らす主人公のチップは元アルコール依存症。禁酒会(アルコホリクスアノニマス)に参加し、アル中の人たちの禁酒の手伝いをしている。また同年代の友達のデニスも禁酒中で同じ禁酒会に通い禁酒を続けている。そんな二人は結婚もせず、定職にもつかずにまるでティーンネイジャーのように毎日つるんでフラフラしている。そんなチップら40代の男たちの自由でゆるゆるな生活を描く。
驚くほど自由人ばかりの「フレークド」の登場人物
リラックスしたカリフォルニアの空気と冗談ばかりの仲間たちのゆるーい日常が日本人から見れば毎日が休日。一応チップは家具店を営んではいるものの、家具が売れた試しはなく、そもそも店に客がいたことがない。デニスもクーラーも何で生計を立てているかわからないほど遊んでばっかり。いわゆる「日常系」ドラマなのでさほど大きな事件は起こらないがついつい見てしまうというのが「フレークド」シーズン1だと思う。
「フレークド」の魅力でもある、40代なのにモテすぎるチップ
チップを演じるウィル・アーネットがそもそもいい男なのでモテるのは当たり前にも見えるけれど、お金持ちというよりもむしろ貧乏なチップがまさにとっかえひっかえ若い女の子を捕まえるが、ガツガツと無理をしている感もなく、あくまで自然体なところが素敵である。そんなチップ見てるとなんだか勇気が湧いてくる(笑)もちろん※イケメンに限るという条件かつフィクションなのはわかっているつもりだけど、ウィル・アーネットくらい外見がよければ本当にこれくらいモテるんだろうなぁと思わざるを得ない。
「フレークド」シーズン1 ネタバレなし感想
「フレークド」のシーズン1はカリフォルニアのとてもリラックスした雰囲気の中、40代の男性たちがどこそこにイイ女がいるだとか、お前と付き合っている女は俺が狙ってたんだとか(主にデニスが)女の尻ばかり追い回すという話になっていて、比較的かるーい話が続いていくので特に気負わずに楽しめる。逆に言えば軽すぎて人によっては退屈に感じるかもしれない。シーズン1のラストあたりから少しずつ物事の歯車が狂い始め、続くシーズン2の内容がこのドラマの主題であるように思える。けれどシーズン1のノリのまま行ってもよかったのに、とも思わなくはない。
「フレークド」 シーズン2 あらすじ
ゆるい雰囲気はそのままだが、地域住民と仲のよかったチップはあることをきっかけに皆に疎まれるようになってしまう。またこれまでチップがごまかしてきた様々な事柄が徐々に明るみになり、色んな人間関係に亀裂が入っていく。嘘と見栄でやり過ごしてきた人生を立て直そうとするチップだが、八方美人な性格で咄嗟に嘘をついてしまう性格はすぐに直るものではなく…。
アルコール依存症とは
お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなってしまった状態をアルコール依存症と呼ぶらしい。生活が壊れるレベルのアルコール依存症を抱えた人を身近に知らないので、依存症になってから禁酒するのがどれくらい辛いものなのか中々想像がつきにくいが、酒癖の悪い奴が常に泥酔していて、さらにそれを止められれないということなんだろう…と思うとぞっとはする。傍から見ると相当やっかいなのは間違いない。
「フレークド」シーズン2 ネタバレなし 感想
ゆるく、気楽なカリフォルニアの生活を楽しめたシーズン1と雰囲気は同じまま、アルコール依存症を抱える人間の精神的な問題や、生き方そのものの是非を問われるようなシーンが多くなる。雰囲気はゆるいままなのでそんな気楽な人生なんてないんだな、みたいな妙な納得があったりするが、チップのボロがいろいろ出てきて僕は見ているのが少ししんどくなったりした。大事なものは何か、善悪の基準とは何か。アルコール依存症になってしまうとアルコールに依存するあまり、アルコール以外のことの重要性がどんどん失われていってしまい生活がガタガタになってしまうそうだ。「フレークド」では登場人物たちのアルコール依存症の症状や、そこから立ち直ることをなんかを直接描いてはいないが、構成としてはアルコール依存の弊害を彼らの生活や性格に投影することによって暗喩的にアルコール依存症についての話をしているというちょっと変化球な作りになっているのだと思う。少なくともアルコールに限らず何かに依存する知人がいたり、経験がある人には教訓的なストーリーに感じ、そうではない人には40代の男たちの悲哀の物語に見えるのだろうと思う。