【80年代セールスマン】ホワイトゴールド
気取り屋バカを自称する男の80年代セールスマンドラマ 「ホワイト・ゴールド」
ホワイトゴールド 2017年 ネットフリックスオリジナルシリーズ シーズン1全6話 1エピソード約30分
原作・制作:デイモン・ビーズリー
出演:エド・ウェストウィック、ジェームズ・バックリー、ジョー・トーマス、ロレーン・オローク、リンジー・クッカー
ナイジェル・リンゼイ、ロイド・ハッチンソン、リー・ロス
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「ホワイト・ゴールド」 あらすじ
舞台は1980年代。製油会社に勤めていたヴィンセント・スワン(エド・ウェストウィック)は、汚染した原油が誤ってタンカーに積まれるという事故で会社に大きな損害を出しクビになってしまう。妻も子供も養わなければならないヴィンセントは悩み、酔いつぶれてトイレで吐いていたところ、学生時代の同級生のコックスに出会う。コックスはセールスマンとして成功しており、ヴィンセントはホワイトゴールドとコックスが呼ぶ窓枠に使うプラスティックについて聞くことになる。この時代ではサッチャー首相が公営住宅を買う権利を導入し、リフォームブームが到来していた。ホワイトゴールドは材木の代替品で2重サッシ窓の製作費を安価にできるという代物だったが、それを6倍の値段で庶民に売り、ローンで払わせるというやり方でコックスは儲けており、最終的には家よりも高くつくその窓を舌先三寸で売りさばくという商売だった。ヴィンセントは彼もコックスのように2重ガラスのセールスマンになることを決意し、開店したばかりのキャシェキャシエーウインドウズに就職し、その5分後には5000ポンドの契約を取り付けた。ヴィンセントの手腕に感動したオーナーのウォルシュはヴィンセントを営業チームのリーダーに据え、フィッツパトリック(ジェームズ・バックリー)、ラベンダー(ジョー・トーマス)の二人が研修を終えて営業チームが完成する。そして3人は毎週売上を競ってセールスに励んだ。
「ホワイド・ゴールド」の主役はゴシップガールのチャック役
ドラマ「ゴシップガール」でチャック・バス演じているイギリス俳優エド・ウェストウィックが「ホワイト・ゴールド」の主役ヴィンセント・スワンを演じる。ゴシップガールでは億万長者の実業家を父親に持つ御曹司で自己中心的で女好き、ナルシストなキャラだった彼が、御曹司と実は繊細な性格であるという設定省いて登場したような男が今回のヴィンセントである。ヴィンセント・スワンの声優はゴシップガールのチャック・バスと同様阪口周平が演じているため、ゴシップガールを日本語吹き替えで見ていた人には彼の声はなじみ深いはず。
世の中には3種類のバカが存在する
人生に呪われ不運に見舞われる退屈なバカ
他人の人生を邪魔するしか能がないイラつくバカ
目立ちたがり、気取り屋のバカ。人のなんでも利用する自信家のバカ
「ハウス・オブ・カード」のケヴィン・スペイシーのように主人公ヴィンセントは視聴者に向かって解説する。ヴィンセントは自らを上記のうちの3番目のバカと称し、随分とアグレッシブなバカっぷりを見せながらセールスに励む。モラルも身内も関係なし。売上のためなら堂々と小便すら漏らす男、ヴィンセント。窓が売れるところにはどんどんアグレッシブに売りつけていったり、自分の望みのためには他者を顧みない様は、バカというよりは、ソシオパスに見える。というよりむしろ80年代にその名称が一般的ではなかっただけで、裏設定として彼はソシオパスなのかもしれない。
80年代イギリスでは「ホワイト・ゴールド」のようなセールスマンが家の窓をどんどん2重サッシに変えていった
2017年で40歳を過ぎているくらいのイギリス人にはこのドラマの舞台である’80年代に怪しげなセールスマンが家に頻繁にやってきていたことや、家の窓がどんどん2重サッシになっていったのが思い出されるんだとか。現在ではイギリスの家の窓は、今ではどこの家でも二重サッシになっているらしい。断熱効果があるので冬に暖房をつけた時なんかにその温かい空気が外に逃げないことから1日中暖房をつけっぱなしにしなくて良く、エネルギー消費量を抑えられるそうだ。
「ホワイト・ゴールド」ネタバレなし 感想
第一話からチ〇コを出すフィッツパトリックに小便を漏らすヴィンセントに笑ったこともあり、比較的期待感は高かったが、期待したほど笑わせてくれるわけでもなかった。1エピソード30分なのでもう6エピソードあったらもう少し印象が違っていたかもしれないが、6話で一旦まとまるため気軽には見れる。バカなのかソシオパス故か自業自得の災難にどんどん巻き込まれていくヴィンセントがいたたまれないが、キャラクターとしては新鮮ではあった。一度はどこかで会ったことがあるような鼻もちならないクズ、でも見た目や立ち居振る舞いを見る限り成功していそうなヴィンセントのキャラクターが一番の見どころではないだろうか。次点はちょいちょい挟まれる下ネタ。とは言えそこそこ見るに耐えるものの今一つ決定打がないような印象。シーズン1のラストには少し厄介なことにヴィンセントは巻き込まれてしまうので、シーズン2が気になる終わり方ではあった。
2018年に「ホワイト・ゴールド」シーズン2がBBCで放映決定
シーズン1がBBCでの放送開始から約3か月後にNetflixにて配信されていることから、シーズン2もBBCの放映後に配信になると思われる。ネットフリックスオリジナルシリーズと銘打っている割にはBBCで先に放送するのは権利がどう絡んでいるのかはわからないが、「アンという名の少女」も同じパターンだったことからおそらくシーズン2もテレビ放映が先になるのだろう。
(C) White gold television 2017
ホワイト・ゴールド シーズン2 ネタバレなし 感想
シーズン1で厄介ごとにまきこまれたヴィンセントだったが、そんな環境の変化にもすぐになれ冒頭からシーズン1初期のノリが戻っている。シーズン2でもヴィンセントたちのほぼ詐欺な商売と適当さ、バカさ加減は変わらず安定感のあるくだらなさが引き続き見られる。またシーズン2ではヴィンセントのライバルが登場したり、ヴィンセントたちよりもっとバカな新入社員が会社に入ってきたりと、ストーリー的にはシーズン1より若干面白くなっていたような印象だ。たまに出てくる何気ないボケがそこそこ笑えるけれど、そこまで笑いの要素が強いわけでもない。むしろ下ネタはシーズン1より減っていた。30分番組の尺でエピソードも多くないのでサクっと見れるところはよかった。