【配信停止中】クローバーフィールド[HAKAISHA]
(C)MMVII BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION
クローバーフィールド HAKAISHA アメリカ 2008年 1時間24分
監督:マット・リーヴス
脚本:ドリュー・ゴダート
出演:リジー・キャプラン, ジェシカ・ルーカス, T・J・ミラー, マイケル・スタール=デヴィッド, マイク・ヴォーゲル, オディット・アナブル, アンジャル・ニガム, マーゴット・ファーリー, テオ・ロッシ, ブライアン・クラグマン
「クローバーフィールド HAKAISHA」 あらすじ
「本編は国防総省が保管している記録映像である」とテロップが流れた後に映像はビデオカメラの持ち主ロブ(マイケル・スタール=デヴィッド)のプライベート風景から始まり、次のシーンではカメラマンはロブの兄ジェイソン(マイク・ヴォーゲル)に切り替わり日本への栄転が決まったロブを祝うためにパーティのパーティの準備をしているハッド(T・J・ミラー, マイケル)にカメラ託す。そしてハッドがパーティの最中パーティ参加のロブへのメッセージを撮影していると、突如として爆音が響く。屋上からは大きな爆発が見え、外へ出ると爆発で吹き飛ばされた自由の女神の頭が降って来て市内はパニックに陥っていた。危険を感じたロブ達は徒歩での脱出を試みるが、その途上彼らは軍隊の攻撃を物ともせずニューヨークを破壊してまわる巨大な怪獣を目撃する。
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「クローバーフィールド HAKAISHA」 疑似ドキュメンタリー作品
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最終的にカメラを託されたハッドが巨大生物から逃げる間絶えずカメラを回し続け逃げ回る一般市民の様子が映し出される格好になっている。一人の人間がカメラを持って行動している体で撮られているため、映像はブレブレだったり、ピントがなかなか合わなかったりとひと昔前の「ブレアウィッチプロジェクト」を思わせる映像だが、これがなかなか迫力がある。「とにかく何かヤバイことが起きていて逃げなくてはならない」ということだけが伝わってくるが、あくまで一般人が撮った映像という体もあり何の説明もない。ただそのわけもわからない中で映される人々のパニックの様子や、必死に逃げる様が耐えうるレベルの絶妙なカメラワークで撮影されている。逆に見ていて苦痛じゃないレベルの映像になっているため、「そんな危険な時にジャーナリストでもないハッドはなんでそんなに撮影に固執してるの?」とか、「カメラ構えて歩いている人がいるはずなのに、それが気になる人少なすぎない?」とか、奇跡過ぎるアングルで映されるシーンがあったりと突っ込みどころはなくはないが、ドキュメンタリーっぽい迫力とのバランスがうまく取れていて、良い演出となっている。
「クローバーフィールド HAKAISHA」 ネタバレなし 感想
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人気プロデューサーJ・Jエイブラムスが1950年代に敬意を表した作品ということでいろいろオマージュがあったりするんだろうけれど、あまり怪獣映画は好きではない僕はどのあたりに敬意を表しているのかはわからないが、例えば「シン・ゴジラ」がつまらないと感じてしまった僕のような人間でも楽しむことができる作品だと思う。怪獣を全面には押し出してはこないものの疑似ドキュメンタリーという形式をとっているため、破壊された街や、軍隊、けが人たちを映すことでその怪獣がいかに危険か、またロブたちがどれくらい緊迫した状況にいるのか伝わってくる。また一行がパニックに陥った際は映像が乱れて何が起こっているか断片的にしかわからないものの、その後の会話等で状況が把握できるような脚本になっている。ブレブレ映像は多いものの常にカメラを回し続けている素人のはずのハッドの技術と根性がすごすぎるのは「まぁ、フィクションなので」というご愛敬ということで流すことができれば、主観で撮影されている映像のおかげでまるで自分も同じ体験を受けているような気分になれると思う。多分この映画の新しいところは(2008年の作品ではあるものの)1カメラの主観映像で怪獣映画を撮ったということに尽きると思う。だけどその1アイディアをうまく活かすことができているのも構成やカメラワークがよく考えられているからではないだろうか。話題の「クローバーフィールドパラドックス」が見たいがために前作である「クローバーフィールド HAKAISHA」を見てみただけのだったが、思った以上に面白かった。余談だけれど、「HAKAISHA」って邦題に入れる必要あるか????この文字がなかったらもっと早く見てたと思うのだけど。