孤独の埋め方「夜が明けるまで」
孤独を分け合う方法「夜が明けるまで」
「夜が明けるまで」Our souls at night ネットフリックスオリジナル映画 アメリカ 2017年 1時間43分
監督:リテーシュ・バトラ
脚本:スコット・ノイスタッター, マイケル・H・ウェバー
出演:ロバート・レッドフォード, ジェーン・フォンダ, ブルース・ダーン, マティアス・スーナールツ,
イアン・アーミテイジ, ジュディ・グリア, フィリス・サマーヴィル
「夜が明けるまで」 あらすじ
(C)2017 Addie and Louis Productions, LLC
妻を亡くしてからルイス(ロバート・レッドフォード)は孤独な生活を送っていた。ある日の晩、隣の家に住むエディー(ジェーン・フォンダ)が彼を訪ねてきた。「一つ提案があるの」同じくパートナーを随分前になくしているエディーはそう切り出すと、「時々うちに来て私と寝ない?」と続ける。「夜が一番さみしくなるから、夜眠りにつくまで話をしながら一緒に寝よう」。隣人の突然の提案に驚くルイスだったが、さみしさに耐え生きているのは彼も同じであったため、近隣の目が気になりつつも、彼女の提案を受け入れることにする。
ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダ
(C)2017 Addie and Louis Productions, LLC
僕ですらさほどなじみはないが、主演の二人は20世紀をアメリカ映画界を象徴する名俳優で、過去にも二人で夫婦役を務めたことも数回あったそう。1966年公開の『逃亡地帯』で最初の夫婦役。そして、続く翌年にはジーン・サックス監督の『裸足で散歩』というコメディで新婚夫婦役。その後の共演は1979年のシドニー・ポラック監督の『出逢い』。60歳を超えていればもしかしたらこの二人の約四半世紀ぶりの共演には胸が熱くなるものがあるかもしれないけれど、正直僕はロバート・レッドフォードしか知らなかったのでそんな感慨はないけれど、ロバート・レッドフォード主演の「スティング」は未だに名作だと思う。あと彼は若い頃ブラッド・ピットに似すぎ。
「夜が明けるまで」 ネタバレなし 感想
(C)2017 Addie and Louis Productions, LLC
多分若い人は見ていられないんじゃないだろうか。老人になってからの恋愛、もしくは恋愛という言葉が単純に使うことができないかもしれない男女の関係。お互いに家族があり、パートナーに先立たれ、いろんな過去があり、ただ”夜のさみしさ”を埋めませんか”、と始まっていく二人。はじまりはとてもぎこちなくそして男女の始まりを思い出すように楽しみながら、それでもそこまでの経験から新たな人間関係に予防線を張ったりしながら、よくよく考えてみると”そんなことに何の意味があるのか”と思い返したり、二人は少しずつゆっくりと穏やかに寄り添っていく。これを素敵なことだと思うか、彼らの子供の視点にたってなんだか気持ち悪いと思うかが肯定的に見れるか否かの境目かもしれない。そんな年になって、そんな境遇にならないときっとわからない孤独が彼らの日常として描かれている。パートナーに先立たれた一人暮らしの老人のさみしさとはどのようなものなのだろう?同年代以外には想像する以外にないと思うが、自分が年老いたときのことを想像できればできるほど、この物語は興味深いものになると思う。逆に想像できなければ多分あんまりおもしろくはない。