Netflix TV番組「クイア・アイ IN JAPAN」レビュー
クイアアイ in Japan 概要
原作・制作:デヴィッド・コリンズ
出演:ボビー・バーク, カラモ・ブラウン, タン・フランス, アントニ・ポロウスキ, ジョナサン・ヴァン・ネス, 水原希子, 渡辺直美
クイアアイはゲイの五人組「Fab5」がインテリア、カルチャー、料理、美容、ファッション、文化の面から冴えないアメリカ人を改造し、悩みやコンプレックスを克服していくという内容のTV番組。2000年代前半にアメリカで放送されていた同名番組をNetflixがリブートし現在シーズン4まで配信、2020年には既にシーズン5が配信予定となっている。「in Japan」では普段はアメリカ国内で悩める男女を助けてきた「Fab5」が日本に来て4人の男女の見た目や生活まで改造していく、というスピンオフ的内容になっている。
クイアアイ in Japan ネタバレなし感想
お馴染みの彼らが日本でどんな活動をするのか、そもそも衣食住すべてを変えていく彼らが日本で活動したらどんな結果になるのか興味があったがさすがと言ったところ。特に日本に寄せたコーディネートをしているとは思えないけれど、彼らの手にかかるとほんと誰もがイイ感じで垢ぬけるのだ。Fab5によって日本人が垢ぬけるととても身近に感じて本家とはまた違った面白さがある。またアメリカ版と同じように実際にアドバイスを受ける人間の内面の問題も解きほぐしていくという部分も流れも、欠かさないのでほろりと泣けたりするのも本家同様になっている。
例えばアメリカ人の50代の男女を「また恋ができるように」とFab5の面々が改造していくのはお国柄も違ってなんとなく理解できるものの、いざ日本でそれをするとなるとなんだか色々難しい気がしてしまう。家は小さいし、オシャレに関してはある程度歳をとった人間がオシャレをしてはいけない(わけではないが)少しでも派手だったりすると不快に思う人もいる。そんな懸念を1話目のヨウコも話していたりするけれど、実際日本には見えない社会的なプレッシャーがたくさんあるように思える。極端な話アメリカ人の50代がデートすると言われてもさほど違和感なく「素敵だな」と思えたりするが、日本人だと「いい歳して…」と反射的に思ってしまう僕自身もいたりして、その文化の違いに僕自身がまず驚くことになった。そんな日本的常識に縛られて窮屈な思いをしている僕らにより楽しく生きるためにどう考えたらいいかを番組を通してFab5は教えてくれる。
ゲイ、年齢、理想の女性像というプレッシャー、自分に自信が持てないというコンプレックスなど、自信を持って生きるにはタフじゃないと難しい日本人にポジティブなアイディアをくれる良い番組だと改めて思った。ちなみに水原希子はガイドとして毎回、渡辺直美は1エピソードの登場となる。